出張買取の新時代到来? AIが最適な訪問スケジュールを即座に提案

ブランド品や貴金属の出張買取サービスを利用した際に、「訪問日時の確定に時間がかかる」「希望の日程がなかなか決まらない」といった経験をしたことがある人は少なくないでしょう。特に、人気の高い買取業者では、査定員のスケジュール調整が難航し、依頼後の調整に時間がかかることが課題となっていました。
こうした問題を解決すべく、新たに登場したのが、株式会社オプティマインドの「ScaLe(スケール)」です。このシステムは、AIがスタッフのシフトや移動効率、スキルを考慮し、最適な訪問日時を即座に自動計算するというもの。従来、人の手で行っていた訪問スケジュールの調整を半自動化することで、業務の負担を軽減しながら、顧客満足度の向上にも貢献すると期待されています。
今回、このScaLeを活用した実証実験が、リユース業界大手の株式会社コメ兵と共同で実施されることが発表されました。買取依頼から訪問確定までの時間短縮、査定スタッフの負担軽減、訪問件数の増加など、その効果がどのように発揮されるのかに注目が集まっています。

ScaLeとは? 〜訪問スケジュールをAIが瞬時に最適化〜

ScaLeは、従来の物流業界向けのルート最適化技術を応用し、出張買取のような「人が訪問してサービスを提供する業務」に特化した最適化システムです。

訪問スケジュールをAIが最適化「ScaLe・スケール」サービス紹介動画

従来、出張買取の訪問スケジュールを決定するには、スタッフのシフト情報や得意分野、移動時間などを考慮しながら、手動で調整する必要がありました。しかし、この作業には時間がかかり、場合によっては顧客からの依頼に即時対応できないこともありました。

ScaLeは、次のような仕組みで訪問スケジュールを自動計算します。

・シフト情報の管理:各スタッフの勤務時間や休憩時間をAIが把握

・スキルマッチング:査定スタッフの得意な商材を考慮

・移動ルートの最適化:最短・最適な移動経路を自動計算

・即時対応:顧客からの依頼に対して、最適なスタッフと訪問日時を即時に提案

このシステムを導入することで、訪問スケジュールの調整時間を大幅に削減し、スタッフの負担を軽減しながら、より多くの買取依頼に対応できるようになります。

「Scale(スケール)」:https://scale-lp.studio.site/

コメ兵が実証実験を開始! 期待される3つのメリット

リユース業界の大手であるコメ兵は、貴金属やブランド時計、バッグ、衣料などの出張買取を全国で展開しています。これまで、訪問スケジュールの調整には複数のシステムを使い分ける必要があり、1件の対応に30分〜60分かかることもあったといいます。

今回の実証実験では、ScaLeを導入することで次のようなメリットが期待されています。

1.訪問確定までの時間短縮

・これまで手作業で行っていた調整作業をAIが自動化

・依頼から訪問確定までの時間が大幅に短縮され、顧客満足度向上へ

2.スタッフの業務負担軽減

・各スタッフのスケジュールを一括管理し、最適な訪問計画をAIが提示

・無駄な移動や待機時間を減らし、効率的な稼働を実現

3.訪問件数の増加

・最適な訪問ルートの自動計算により、1日あたりの訪問件数を増やす

・事業拡大にもつながる可能性

コメ兵の担当者も、「訪問スケジュールの調整が簡単になり、スタッフの負担が減ることで、より多くのお客様に対応できるようになる」と期待を寄せています。

出張買取利用者の声「訪問日時の確定が遅い」ことが課題に

出張買取サービスを利用したことがある人を対象に行った調査では、訪問日時の確定に関する課題が浮き彫りになりました。

「依頼後になかなか訪問日時が決まらず、キャンセルした経験がある」(26.1%)
「経験はないが、今後キャンセルする可能性がある」(24.1%)
「訪問日時の確定が遅く、ストレスを感じたことがある」(55.6%)

この結果からも、訪問確定までの時間が長いことが、ユーザーの不満につながっていることがわかります。ScaLeの導入によって、この問題がどれだけ改善されるのか、実証実験の結果が注目されます。

AIが変える出張買取の未来

出張買取の分野において、これまで訪問調整は大きな課題でした。しかし、ScaLeのような最適化AIが導入されることで、業務効率の向上や顧客満足度の向上が期待できます。
特に今回のコメ兵との実証実験では、「訪問確定までの時間短縮」「スタッフの業務負担軽減」「訪問件数の増加」といった具体的な効果がどこまで得られるのかが注目ポイントです。
個人的には、出張買取のような、人がサービスを提供する業務に最適化AIが導入されるのは、とても興味深いと感じます。従来、最適化AIは物流や配送の分野で活用されてきましたが、今回のように「査定スタッフのスキル」や「顧客の都合」まで考慮したスケジュール最適化は、今後さらに多くの業種で応用されていく可能性がありそうです。
今後、ScaLeがどのように出張買取のスタンダードを変えていくのか、実証実験の結果を楽しみにしたいと思います。

おすすめの記事