金融とweb3の国内外リーダーが集結 「The Capital Summit Tokyo」開催

デジタルアセットをめぐる議論は、暗号資産の売買だけにとどまらなくなりました。価格が安定するよう設計されたステーブルコイン、現実の資産をデジタル上で扱うRWA、機関投資家の参入を支えるカストディなど、既存の金融とブロックチェーンをつなぐテーマが次々と登場しています。一方、それぞれの技術やサービスを、どのような制度やインフラのもとで社会に取り入れるのかは、まだ議論の途上にあります。

こうした中、株式会社DeFimansとThe Capital Summitは2026年7月15日、CIC Tokyoで「The Capital Summit Tokyo」を共同開催しました。国内外の金融機関や資産運用会社、暗号資産交換業者、ブロックチェーン関連企業などが集まり、デジタルアセット市場の現在地と今後について意見を交わしました。

多様な業界の意思決定者が集った東京での一日

「The Capital Summit Tokyo」は、機関投資家や金融機関、デジタルアセット業界の意思決定者を主な対象としたカンファレンスです。当日は13時から21時まで、全11セッションが行われました。

会場には、日本の金融機関や暗号資産交換業者に加え、Tether、Chainlink Labs、S&P Dow Jones Indices、Pharos Network、Babylon Labsをはじめとする海外企業も参加しました。専門的な議論だけでなく、参加者同士による1on1ミーティングやネットワーキングも活発に行われたといいます。

言語面では、フリットジャパンのAI同時通訳サービス「Live Translation」を導入。スマートフォンなどで字幕を確認できる環境が用意され、国内外の登壇者と参加者をつなぎました。

ステーブルコインからBitcoinまで広がる11の論点

各セッションでは、グローバルなステーブルコインの発行モデルやスポットETF時代の資産運用、クロスボーダー決済、機関投資家向けカストディなどが取り上げられました。日本の暗号資産交換業が今後どのような収益機会を生み出すのかという、国内市場に近いテーマについても議論されています。

そのほか、トークン化MMFとDeFiヴォールト、オンチェーン時代のファンド設計、プライベートクレジットとDeFiの接点など、資産の発行から流通、運用までを横断する議題が並びました。さらに、オンチェーン上で求められるプライバシーとコンプライアンス、Bitcoinを活用した金融インフラにも話題が及んでいます。

個々の技術や商品を別々に捉えるのではなく、決済、資産運用、資産保全、担保、流動性を含む一つの金融基盤として考える構成が特徴的でした。

 Panel1:グローバル・ステーブルコイン戦略 - マルチカレンシー時代の発行モデル

Panel2:スポットETF時代の資産運用 - Crypto Product Stackの進化

Panel3:クロスボーダー決済の次へ - 24時間資本市場とBeyond SWIFT

Panel4:機関投資家向けカストディの現在地 - 国境を越える資産保全インフラ

Panel5:日本の暗号資産交換業はどこへ向かうのか - 新たな収益機会と市場拡大

Panel6:トークン化MMF vs. DeFiヴォールト - ベースレートをめぐる争い

Panel7:オンチェーン時代のファンド設計 - 発行・流通・運用はどう変わるのか

Panel8:オンチェーン・クレジット市場 - プライベートクレジットとDeFiの交差点

Panel9:ETFの次へ - トークン化が再定義するファンドの器

 Panel11 キーノート:トラストレス・ビットコイン・ヴォールト — カストディを手放さないネイティブBTC担保

「実証」から「事業化」へ移るデジタルアセット市場

イベントを通じて共有された主なトレンドは、機関投資家による市場参入の拡大、ステーブルコインを使った決済・送金インフラの高度化、RWAの実用化、Bitcoin担保型金融サービスの発展などです。日本市場と海外市場の連携も、重要な論点として挙げられました。

DeFimansは、国内の議論が制度設計やPoC(実証実験)を中心とした段階から、社会実装や事業化を見据える段階へ移りつつあると説明しています。海外プロジェクトからは、日本の制度の明確さや金融機関と協業できる環境を評価する声もあり、当日の対話から新たなPoCや事業提携、国内展開に向けた協議も生まれたとしています。

個別の技術をつなぐ「金融基盤」という視点

今回のカンファレンスで印象的なのは、ステーブルコイン、RWA、カストディ、ETF、Bitcoinといったテーマが、ばらばらの技術としてではなく、相互につながる金融エコシステムとして語られた点です。デジタルアセット市場が社会に定着するためには、魅力的な商品を生み出すだけでなく、安全に保管し、円滑に取引し、制度に沿って運用できる環境が欠かせません。

国内外の金融機関、技術企業、投資家が同じ場で課題を共有したことは、日本市場の可能性と、実装に向けて残る論点の両方を整理する機会になったといえそうです。各セッションの詳しいレポートも順次公開される予定で、具体的にどのような意見が交わされたのか、続報にも注目が集まります。

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