AI技術と推し活で進化するカレンダーシェア!TimeTreeの10年とこれから

株式会社TimeTreeは、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」の運営を通じて、世界中の人々に「時間の共有」という新たな価値を提供し続けてきました。2024年9月1日、同社は設立10周年を迎え、この節目を記念して、9月25日に「TimeTree設立10周年記念 メディア説明会」を開催。説明会では、10年間にわたる革新的なサービスの歩みとともに、今後のビジョンと運営方針が披露されました。
TimeTreeが目指すのは、単なるスケジュール管理アプリではなく、ユーザー同士のつながりを深め、日々の時間の使い方に新たな選択肢を提供するプラットフォームです。AI技術の進化とともに、さらに多様な領域への展開が期待される中、今回の説明会はその一端を垣間見る機会となりました。

10年の成長を支えたカレンダーの力

初めに、株式会社TimeTree 代表取締役社長兼最高経営責任者CEO 深川泰斗氏より事業に関する紹介が行われました。
株式会社TimeTreeは、2014年に設立されて以来、カレンダーシェアアプリ「TimeTree」を通じて、家族、友人、同僚など複数の人々が簡単に予定を共有し、効率的にスケジュールを管理できる新しい方法を提供してきました。このアプリは、プライベートからビジネスに至るまで、幅広いシーンで使われ、ユーザー同士の円滑なコミュニケーションを促進するツールとして進化しています。
サービス開始当初から、TimeTreeは直感的な操作性とシンプルなデザインでユーザーの支持を集めました。特に、家族やカップルでの共同スケジュール管理、学校や職場でのチーム活動など、様々なグループで活用できる点が高く評価され、2024年4月に全世界で5,500万ユーザーを突破しました。

TimeTreeは国内にとどまらず、グローバル市場にも進出し、多いところはアメリカ、ドイツ、台湾、イギリス、韓国で利用されています。特に、アメリカやイギリスなどの英語圏で大きな成長を見せています。Apple社には初期から注目され、Best of Appにも選出された実績があります。
TimeTreeは単なるカレンダーアプリにとどまらず、人々の生活の質を向上させるツールとして社会的にも重要な役割を果たしており、ユーザーが大切な時間を無駄なく過ごせるようにするためのサポートを続けています。今後も、技術革新を追求しながら、新しい価値を提供していくことが期待されます。

カレンダーを通じた効果的なコミュニケーション

今後のビジネス戦略の一つとして、TimeTreeはカレンダーサービスならではのマーケティングソリューションの提供を拡大する意向を示しています。予定やイベントに関連するデータを活用することで、企業やブランドが消費者との接点をより効果的に生み出す支援を行うというものです。これにより、カレンダーを通じた新たなマーケティングの可能性が広がり、ユーザーと企業の双方にとって価値のあるサービスを提供できるとしています。

カレンダー×推し活領域への拡大

さらに、近年注目を集めている「推し活」の領域にもTimeTreeは進出する計画です。クリエイター・ユーザー共に共有カレンダーを利用している事例があり、よりカレンダーらしいコミュニケーション活動やクリエイターのビジネスにも活用できる「公開カレンダーウィジェット」という新たな機能を開発中です。これにより、ファンコミュニティの形成をサポートし、より充実した推し活体験を提供することを目指しています。

予定データを活用した顧客理解

TimeTreeは、ユーザーの予定データを元に、より深い顧客理解を実現するプラットフォームとしての進化を目指しています。予定の共有を通じて得られるデータを分析し、ユーザーの行動パターンやニーズをより詳細に把握することで、個々のユーザーに最適な体験を提供する取り組みを強化します。このデータを活用したパーソナライズドなサービス提供は、TimeTreeの競争力を一層高めるとともに、ユーザーにとっての利便性をさらに向上させるでしょう。

AI隆盛の時代における今後の展望

次に、株式会社TimeTree 代表取締役兼最高戦略責任者CSO 朴且鎮氏より今後の展望について説明が行われました。

今後の展望について、AI技術の進化に対応したビジョンも重要なテーマとして掲げられました。TimeTreeは、AIを活用したCalendar GPTによる「TimeTree Agent」を開発中です。このAI技術は、世の中のデータとの照らし合わせによるFine Tuningによって、より精度の高いものを目指して開発が行われています。「TimeTree Agent」では、予定を登録すれば、予定に必要な予約が完了する仕組みを想定して開発が進められており、さらなるユーザー体験の向上を目指しています。

マーケティングにおいては、これまで30〜40代の家族層を中心に行なっていたものを、今後は、利用者の増加が見込める10〜20代を対象に力を入れていきます。またグローバル戦略では、韓国との連携を展開しており、TimeTree Adsの拡大として現地広告代理店とのビジネス連携、公開カレンダーの拡大としてK-POPや自治体との連携を展開中です。

TimeTreeが掲げる新しい理念とは?

会社設立10周年を機に、ミッション、ビジョン、バリューを見直したことについて深川氏より説明が行われました。

従来のビジョンやミッションは、世の中の問題解決に向けて構築されていたものの、分かりにくい部分があったため、議論を重ね、新たなミッションの草案を作成しました。新しいミッションは『「誘おう」をつくる』、新しいビジョンは『あの人と共に生きる未来へ誘おう』となっており、ともにキーワードは「誘おう」です。これは、忙しい毎日を過ごしながらも他者を積極的に行動に誘う人々を応援するという考え方に基づいています。会社はそのような人々を支える存在であり、彼らのアクションが大勢の人々を成長させると捉えています。

さらに、社内の行動規範であるバリューも3つ設定しました。それは『誘われるのを待たない』『手元の「目的」を忘れる勇気を持とう』『だれもためらわない環境を』というものです。最後に、この新しいミッション・ビジョンを反映したブランドムービーの視聴が行われました。

株式会社TimeTreeは、これまでの10年間、世界中のユーザーにとって欠かせないスケジュール管理ツールとして成長を遂げてきました。その成功は、単に予定を共有する機能に留まらず、人々の時間に対する意識を変え、コミュニケーションの新しい形を提供してきたことにあります。これからの10年も、AI技術や推し活の拡大を通じて、TimeTreeは私たちの生活をより豊かにするサービスを提供し続けていくことでしょう。

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