昨今、落とし物の管理は社会において大きな課題となっています。特に、鉄道や商業施設、テーマパークなど、多くの人が集まる場所では、毎日のように多くの落とし物が発生しています。従来の紙ベースの管理方法では、見つけ出すまでに多くの手間がかかり、最終的に持ち主に戻らないケースも少なくありません。こうした中で、株式会社findが提供する「落とし物クラウドfind」は、AI技術を駆使した新しい解決策として注目を集めています。同サービスは、落とし物に関する情報をデジタルで一元管理し、迅速かつ効率的に持ち主へ返却することを目指しています。2024年7月18日現在、findを導入している施設は1200を超え、これまでに3万件以上の落とし物が返却される成果を挙げています。
落とし物クラウドfindとは
落とし物クラウドfindは、最先端のAI技術を駆使して、これまでにない新しいアプローチで落とし物管理を実現しています。例えば、マフラーや手袋、鍵、ピアスなど、特徴が少なく特定が難しいとされる落とし物でも、画像認識AIが細かな特徴を捉えて検索可能にします。この技術により、従来では特定が難しかったアイテムも見つけやすくなり、返却率の向上に寄与しています。
さらに、findの検索システムはフリーワードでの高速検索が可能です。まるでGoogleやYahoo!での検索のように、ユーザーはアイテムの名前や特徴を入力するだけで、関連する落とし物をすばやく検索できます。これにより、ユーザーがわざわざアイテムを分類する手間を省き、より直感的でスムーズな利用体験を提供します。
Findのもう一つの大きな特徴は、落とし主とのやりとりをfindスタッフが代行する点です。これにより、提携施設の範囲を超えた落とし物の案内が可能となり、他社施設や路線に届けられている落とし物でも迅速に対応することができます。また、生成AIを活用したスマート落とし物登録機能により、写真を撮影するだけでAIが自動的にアイテムの特徴を入力してくれるため、ユーザーは毎回詳細を入力する必要がありません。
【機能一覧】
LINE連携: 落とし主からの情報はLINEを通じて入力され、その情報が直接検索システムへ反映されます。これにより、ユーザーは簡単に落とし物を報告し、見つけ出すことができます。
画像検索: 落とし物の画像を登録することで、検索時に視覚的な確認が可能です。現物が手元になくても、特徴を確認できるため、特定が容易になります。
警察連携: 落とし物が警察に届けられる際には、必要な情報を含む一覧をプリントアウトできます。これにより、管理者の手間を減らし、正確な情報提供が可能です。
提携施設間の横断検索: 提携施設の落とし物情報が一元管理され、施設の垣根を越えた横断的な検索が可能になります。find経由の問い合わせは、施設間の情報連携を円滑にし、利用者の利便性を向上させます。
AI自動登録: 生成AIがアイテムの特徴を瞬時に自動登録します。これにより、従業員の作業負担が軽減され、登録ミスを防ぐことができます。
マルチデバイス対応: クラウドサービスのため、パソコン、スマートフォン、タブレットなどのあらゆるデバイスからアクセスが可能です。アプリやソフトウェアのダウンロードが不要なため、手軽に利用できます。
急成長する落とし物クラウドfindの導入拡大と高評価
「落とし物クラウドfind」の導入は、2023年5月に京王電鉄株式会社で正式に始まりました。同社は「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」に参加し、3か月間の実証実験を経てfindを採用。その後、商業施設やタクシー会社など、多くの企業での導入が進みました。この1年間で1200以上の施設で利用可能になり、利用エリアの拡大が進んでいます。findは、迅速な対応と高い返却率で利用者からの評価も高く、サービスの拡充に繋がっています。
findは、利用者の声を大切にし、常に機能の改善を行っています。サービス開始以来、112,000人以上が問い合わせを行い、その返却率は約30%に達しています。返却できた落とし物は34,000件を超え、利用者からは「見つかったことへの喜びや感謝のメッセージ」が多数寄せられています。特に、多言語対応や画像送付機能が高く評価されており、約93%の利用者がサービスに満足しているとのアンケート結果が出ています。
findのビジョンは「落とし物が必ず見つかる世界」の実現です。今後は、対応施設のさらなる拡大を計画しており、施設を横断した問い合わせが可能になるシステムの導入を目指しています。これにより、利用者はより簡単に落とし物を見つけることができるようになります。また、新たな技術の導入や既存機能の改善にも力を入れていく予定です。
「落とし物クラウドfind」は、私たちの日常生活において、意外にも重要な役割を果たしていることに気づかされます。落とし物に対する不安は、誰しも一度は経験したことがあるでしょう。その不安をテクノロジーの力で解消するfindは、多くの人々に安心感を提供するサービスです。また、デジタル化が進む現代において、紙ベースの管理方法から脱却し、効率的かつ迅速な対応が求められる時代になっています。findのようなサービスが広がることで、社会全体がより便利で安心できるものになっていくと感じます。今後もfindの進化と拡大に期待しつつ、私たちの日常生活がどのように変わっていくのかを見守りたいと思います。