日本社会におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展は、あらゆる世代に影響を与えています。その波は、ついに60代・70代の高齢者層にも浸透してきました。最新の調査リリースでは、60代・70代のキャッシュレス決済利用の実態が明らかになり、従来「現金派」とされてきた世代の多くが、今ではキャッシュレス決済を積極的に活用していることが浮き彫りになっています。この調査によれば、現金払いのみで生活している高齢者はわずか7%であり、残りの大多数はクレジットカードや電子マネー、QRコード決済といった新しい支払い方法を取り入れています。
この変化は、高齢者層のデジタルリテラシーの向上だけでなく、社会全体で進行中のDXが生活のあらゆる場面に浸透していることを示しています。DXの一環として推進されているキャッシュレス化の流れが、どのように高齢者の日常生活に影響を与えているのか、またその背景にある理由と今後の課題を、本調査結果を基に掘り下げていきます。
※グラフの数字は小数点第1位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
※本調査は、「60代・70代のキャッシュレス決済利用に関する意識調査」を一部抜粋して作成しています。
シニア層にも広がるキャッシュレス決済 現金払いはわずか7%
最近の調査によると、60代・70代のシニア層において「現金払いのみ」で生活している人はわずか7%に過ぎないことが明らかになりました。最も多い回答は「現金払いもあるがキャッシュレス決済が多い」で44%を占め、「ほぼ全てをキャッシュレス決済で支払っている」人も18%に達し、シニア層の約6割がキャッシュレス決済を主に利用していることがわかりました。
一方で、「キャッシュレス決済もあるが現金払いが多い」と答えた人は17%に留まり、まだ現金に頼る人もいますが、シニア層でもキャッシュレス決済が一般的になっていることは確かです。クレジットカードや電子マネーの普及により、利便性を実感し、積極的に利用する人が増加しています。今後はセキュリティや使いやすさの向上が、さらなる普及の鍵となりそうです。
シニア層のキャッシュレス決済、主流は「クレジットカード」利用率は57%
シニア層が最も利用しているキャッシュレス決済は「クレジットカード決済」で、全体の57%に達しています。次いで、「QRコード決済」が26%、続いて「電子マネー決済」が13%という結果となりました。クレジットカードの圧倒的なシェアは、特にシニア世代での保有率の高さに起因していると考えられます。
ジェーシービーの調査によれば、クレジットカードの保有率は年齢が上がるにつれて高くなり、60代男性の保有率は94%に達しています。これは、20代男性の74.2%という保有率を大きく上回る数字です。保有率が高いことで、シニア層が日常の買い物でクレジットカード決済をメインで利用するのも自然な結果と言えます。
この結果は、シニア層にとってクレジットカードが最も信頼性が高く、使いやすいキャッシュレス手段であることを示しています。QRコード決済や電子マネーといった新しい決済方法も徐々に普及してはいますが、クレジットカードは依然としてシニア層における主流のキャッシュレス決済手段として定着しています。
今後、セキュリティや利便性の面でのさらなる進化が期待されるキャッシュレス決済ですが、シニア層のニーズに応じたサービス提供が、より幅広い普及のカギとなるでしょう。
参照:クレジットカードに関する総合調査 2022年度版/株式会社ジェーシービー
https://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/230315_01.pdf
キャッシュレス決済の利用場所、最も多いのは「スーパーマーケット」が68%
キャッシュレス決済をどこでよく利用しているかを尋ねたところ、「スーパーマーケット」が68%で最も多いという結果が出ました。次に多いのが「ドラッグストア」で40%、続いて「コンビニエンスストア」が31%となっています。多くのシニア層が、日常的な買い物においてキャッシュレス決済を活用していることがわかります。
これらの結果は、普段から頻繁に訪れる場所でキャッシュレス決済が活用されていることを示しています。特に、スーパーマーケットやドラッグストアは、日常生活に欠かせない場であり、利便性の高いキャッシュレス決済が普及しやすい環境であると言えるでしょう。
また、調査には「通販やネットでの買い物」といったオンラインショッピングでのキャッシュレス決済利用も見られ、シニア層でもインターネットを活用した決済が増加していることが確認されました。キャッシュレス決済が生活の中で自然と定着しつつあり、利用シーンが多様化していることがうかがえます。
シニア層のキャッシュレス決済利用実態 クレジットカードを中心に多様化が進む
60代・70代を対象としたキャッシュレス決済の利用実態に関する意識調査を紹介しました。今回の調査では、60代以上のユーザーも日常の生活でキャッシュレス決済を積極的に活用し、ポイント運用なども行っていることが明らかになりました。主にクレジットカード決済が利用されているものの、スマートフォンの普及に伴い、QRコード決済や電子マネー決済を利用するシニア層も増加しています。
キャッシュレス決済がシニア層の間でも浸透し、日常生活の利便性が向上していることが確認できました。今後も、さらなる技術の進化とともに、キャッシュレス社会が広がっていくことが期待されます。
<調査概要>
調査名称:シニア層を対象にしたキャッシュレス決済利用に関する意識調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年9月3日~9月5日
有効回答:全国の60代・70代の男女 500名
引用元:アルファノート株式会社
https://media.alpha-note.co.jp/020005/