貿易DXの革新へ!トレードワルツとアステリアが協業しデジタル連携を加速

株式会社トレードワルツとアステリア株式会社が、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」を活用した貿易DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けて協業を開始することを発表しました。この連携により、貿易業務のデジタル化が加速し、業務効率の劇的な向上が見込まれます。貿易手続きの煩雑さに悩む企業にとって、この協業がどのような変革をもたらすのか、詳しく見ていきましょう。

協業の背景

2022年、世界の貿易取引は24兆ドルを超え、世界経済の成長に大きく貢献しました。しかし、貿易手続きは依然として紙ベースのアナログ作業が多く、業務効率化に向けたデジタル化が急務とされています。貿易業界では、多数の文書作成や管理業務が必要とされるため、デジタル化の遅れが業務効率や生産性に大きな影響を与えています。
トレードワルツは、貿易に関わるすべての人や情報をつなぐ「TradeWaltz®」を提供し、貿易のデジタル化を推進しています。このプラットフォームは、貿易に関わるすべてのプロセスをデジタル化することで、書類作成の手間を減らし、情報共有の効率化を図ります。一方、アステリアは、企業内システムからクラウドサービスまで100以上のツールやサービスをノーコードで連携できる「ASTERIA Warp」を提供し、10,000社を超える企業に導入されています。ASTERIA Warpは、データ連携ツールとして企業のデジタル化を支援し、多くの企業が利用する重要なソリューションです。

協業の内容

Screenshot

トレードワルツは、さらなるデータ連携の効率化に向け「ASTERIA Warp」を用いた実証試験を実施しました。この試験により、TradeWaltzユーザーは自社システムとTradeWaltz間のAPI連携にかかる開発工数を約3割削減できることが確認されました。これを受け、ASTERIA WarpはTradeWaltz連携ツールの一つとして採用され、ユーザー導入支援の協力体制が構築されました。

実証試験の詳細

実証試験では、ASTERIA WarpがCSVデータをTradeWaltzが読み取れるJSON形式データに自動変換し、TradeWaltz-APIを自動実行してデータをTradeWaltzに自動登録するシナリオが試されました。具体的には、輸出船積承認依頼などの業務に関連するAPIが使用され、データの変換や登録が問題なく実行できることが確認されました。この結果により、スクラッチ開発と比較して導入効果が大きいことが証明されました。
今回のAPI実行では、各社の書類に記載されている特殊項目を追加でマッピング設定するなどの個別対応が必要ですが、ノーコードで連携できるため、コーディングやテストの手間が省けます。その結果、連携にかかる工数と時間が導入しない場合と比べて3割ほど改善されることがわかりました。

今後の展望

TradeWaltzとASTERIA Warpの連携により、貿易業務の効率化とシステムの拡張性が高まることが期待されます。例えば、TradeWaltzで登録された貿易上の債務データを社内の会計管理システムにシームレスに連携し、その情報を基に送金依頼システムにデータを流し込むなど、企業の業務フロー全体をデジタル化することが可能になります。
この連携により、企業システムのポテンシャルが格段に広がり、貿易に関する業務の効率化やシステムの拡張性が高まります。例えば、TradeWaltzで登録された貿易上の債務データを社内の会計管理システムへシームレスにつなぎ、その取引先の情報等を活用して送金依頼システムにデータを流し込む等、システムの境目で情報が分断されず、付加価値を生み出しやすい世界観を作ることができます。
日本の貿易取引のデジタル化の割合を10%とするという経済産業省の目標達成に向けて、この協業は大きく貢献することが期待されます。政府においても日本全体の貿易効率を高めるため、貿易プラットフォームとのAPI連携基盤の開発に補助金等を発行して貿易DXの推進が展開されています。

トレードワルツとアステリアの協業は、貿易業務のデジタル化を加速させ、業務効率の向上を目指す重要なステップです。特に、日本の貿易取引におけるデジタル化の割合を10%にするという経済産業省の目標達成に向けて、大きな一歩となるでしょう。この協業を通じて、貿易業務のデジタル化が進み、企業の業務フロー全体が効率化されることで、貿易に関わるすべての人々が恩恵を受けることが期待されます。今回の協業がもたらす貿易業界の変革に、引き続き注目していきましょう。

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