東京タワーが“東通カラー”にライトアップ――東通グループが目指す地方都市への事業展開

近年、地価高騰と再開発ラッシュに沸く都心部。不動産業界では大型投資が相次ぐ一方で、地方では新たな価値創出を模索する動きも広がりつつあります。

そうした中、東京を拠点に事業を展開してきた東通グループが、地方都市への事業拡大と既存プロジェクトの新展開を発表しました。

先日、東京タワーを舞台に開かれたプレスカンファレンスでは、東通が掲げる「不動産をもっと自由に大作戦」の次なるステージを象徴するタワー点灯式も実施。東京タワーはこの日、“東通カラー”に輝きました。

タワー点灯式に込められた東通グループの決意

東通グループ 代表取締役 共同代表者 桜木翔氏

不動産総合会社として東京を拠点に事業を展開する東通グループ。2025年6月に発表したキャッチコピー「不動産をもっと自由に大作戦」をスローガンに、従来の固定観念を打ち破るような新しい取り組みを推進しています。

これにともない同社は2030年に運用資産規模3,000億円の達成を目指し、新たな事業展開を本格的にスタート。この日は東京タワーを背景に、特別な発表とタワー点灯式が行われました。

代表の桜木翔氏はまず「東京から発信する、という意味で、東京タワーの『プレミアム展望ツアー「TOKYO DIAMOND TOUR」』とコラボすることになりました」と切り出し、日本の象徴ともいえる東京タワーのライトアップに東通グループの理念を重ね合わせたことを強調。

続けて「これは単なるライトアップではありません。東京という街、そして不動産の未来をより明るく希望に満ちたものにしていきたいという揺るぎない思いを形にしたものです」と語り、今後の大阪・福岡への地方展開の布石であることも示しました。

さらに桜木氏は、発表日の10月20日になぞらえ「誠に勝手ながら、本日を“東通の日”として記念日にしましょう」とユーモアを交え、会場を和ませました。

“東通の日”に明かされた新しい挑戦

東通グループ 執行役員 桜井吉男氏

続けて執行役員の桜井吉男氏が登壇し、東通グループの新しい取り組みについての具体的な発表が行われました。

地方都市展開:大阪・福岡

長年の拠点である東京から、日本を代表する大都市圏の関西・九州エリアへの事業展開。「東京で培ってきた豊富な実績とノウハウを、新しい舞台でも活かしてまいります」と桜井氏は決意を語ります。

不動産再生事業「TRUST VALUE本町」(大阪)

築40年の建物を再生し、現代のニーズに合わせた付加価値を創出することで、建物のポテンシャルを最大限に引き出す、東通グループの主幹事業のひとつです。

5階には木の温もりを感じるデザインのセットアップオフィスを設け、自然に人が集まり会話やアイデアが生まれる温かみのある空間を提供。

また、3階には無人ホテル「illi Jam Shinsaibashi(イリー ジャム シンサイバシ)」が2025年9月12日に開業しました。24時間サポート体制やスムーズなチェックイン・アウト、清潔な空間の維持など、大阪に新しい滞在スタイルを提案しています。

福岡「Totsu Residence Hakata East」

九州の中心都市として経済成長が著しい福岡では、高級賃貸シリーズ「Totsu Residence Hakata East」を展開。現代的なデザインを取り入れたアプローチやエントランスホール、建物周辺には間接照明を設置するなど、落ち着きと上質さを兼ね備えたくつろぎの空間が演出されています。「都市の特性に合わせた大規模案件として、今後の事業展開に注力したい」(桜井氏)

「TOTSU PREMIUM」第2弾

高級賃貸シリーズ「TOTSU PREMIUM」第2弾を恵比寿南に新築予定。都心の落ち着きある住宅街に位置し、上質で洗練された生活空間を提供します。

現在準備段階の同プロジェクトでは、第1弾で設計監修を務めた建築家の隈研吾氏の流れを引き継ぎ、著名建築家との協業を計画中です。

東京・新橋地区の都市開発参画

新橋駅東口地区の市街地再開発準備組合に参画。2017年に発足した協議会以来、地域住民や関係各所と連携しながら、街の活性化に貢献するプロジェクトです。道路や広場などの公共空間も含め、都市全体を計画的に整備。単なる建て替えではない、未来の新橋にふさわしい都市空間を創出します。

東京タワーが東通カラーにライトアップ

すべての発表を終えると、いよいよ東京タワーの点灯式です。このセレモニーには、先の桜木氏、桜井氏に続き、共同代表のヒューゴ・チャン氏が登壇。カウントダウンの合図とともに、ブルーとオレンジの「東通カラー」が輝くと、会場のあちこちから「おおー」と感嘆の声が聞こえました。

東通グループ 共同代表 ヒューゴ・チャン氏

「日本を象徴する東京タワーとのコラボを大変光栄に思います。そして、これまで東通グループが成長を遂げられたのは、みなさまの温かいご支援のおかげです。心より感謝申し上げます。この特別な瞬間を共に分かち合い、そして共に築いていく未来に向かって歩んでまいりましょう」

チャン氏は、東通の新しい挑戦について感謝の言葉を述べるとともに、今後のさらなる発展を誓いました。

日本の象徴的企業への発展を願う東通グループ

今回の発表会と東京タワーの点灯式を通じ、東通グループは「不動産をもっと自由に」のビジョンを体現しつつ、東京から地方へ、さらに高級賃貸や都市開発への参画といった新しい挑戦を明らかにしました。

今後も、日本のシンボルである東京タワーのように、東通グループがさらなる輝きを放つことが期待されます。

<取材・撮影・文/櫻井れき>

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