近年、教育のデジタル化が急速に進んでいます。特に、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業が増加し、教育現場ではデジタルツールの活用が不可欠となっています。そんな中、徳島県鳴門市内の小・中学校および鳴門市教育委員会では、2024年6月から、ハイラブル株式会社が提供する「話し合い見える化サービス」が導入されました。このサービスは、児童・生徒の非認知能力を数値化し、探究学習におけるコミュニケーション力・表現力・メタ認知力の育成を支援することを目的としています。
データで話し合いを革新する新サービスの詳細
鳴門市では、市の予算を活用して「対面の話し合い見える化サービス Hylable Discussion」と「Web会議の見える化サービス Hylable」の2つのサービスを導入します。
【対面の話し合い見える化サービス Hylable Discussion】
「Hylable Discussion」は、グループワークなどの対面の話し合いを、威圧感の無い「たまご型レコーダー」で録音し、発話量ややり取りの情報を自動的にグラフ化するクラウドサービスです。
ハイラブルは様々なグラフで話し合いを見える化し、個人、班、クラスのデータとその変化を蓄積します。これにより、振り返りによる行動変容や行動データの分析が可能です。複数のグループが同時に話し合う騒がしい環境でも、誰がいつ話したかを識別して見える化できる点が特徴です。
【Web会議の見える化サービス Hylable】
一方、「Hylable」は、専用のWeb会議システムを使用して、参加者の発話量やその変化、やり取りの量などをリアルタイムでグラフ化します。Web会議の画面上で視覚化されるため、その場で即座に行動変容が可能です。
また、すべてのルームの様子を外から一覧できるため、教師はデータに基づいて最適なタイミングで話し合いに介入できます。
児童・生徒の成長を支えるハイラブルの実績と利点
ハイラブルのサービスは、これまでに国語、道徳、体育、探究的な学びなど多様な科目のグループワークを支援し、様々な教育現場で児童・生徒の新たな特徴の発見やメタ認知能力の向上、授業プログラムの改善に活用されてきました。利用者は子どもから大人まで幅広く、のべ7万人以上の話し合いを分析してきた実績があります。
具体的には、国語の授業で物語の読み解きやディスカッションを行う際に、児童の発話量ややり取りの質を見える化することで、発言の偏りや不足を見つけ出し、教師が適切なフィードバックを行えるようになります。また、道徳の授業では、価値観の共有や意見交換の中で、児童がどのように自己表現を行っているかをデータで確認し、コミュニケーション能力の向上を図ります。
補助金活用で実現したハイラブル導入の背景と成果
今回の導入は、「探究的な学び支援補助金2023」を活用して、鳴門市里浦小学校が先行して導入したことがきっかけです。本補助金を活用し、Web会議の見える化サービス Hylable を利用して埼玉県戸田市立新曽小学校との交流授業も行いました。これにより、児童のコミュニケーション力・表現力・メタ認知力が自己で調整できるようになったという評価が得られました。
具体的には、里浦小学校では、オンラインでのディスカッションが活発に行われ、その様子がリアルタイムでグラフ化されました。このデータを基に、教師は児童の発言のタイミングや内容に対して即座にフィードバックを行い、児童自身も自分の発言の傾向を振り返ることで、自己調整能力を高めることができました。
ハイラブル導入で未来の教育と組織を変える可能性
鳴門市の小中学校でのハイラブル導入により、教育の質が向上し、児童・生徒の探究学習がさらに深まることが期待されます。今回の取り組みが成功を収めることで、他の地域や学校でもハイラブルの普及が進むでしょう。教育現場におけるデータ活用の可能性は無限大であり、今後の教育改革にも大きな影響を与えることが予想されます。
さらに、教育現場だけでなく、企業の研修やチームビルディングの場でもハイラブルの技術が応用される可能性があります。コミュニケーションの質を数値化し、データに基づいた改善を図ることで、組織全体のパフォーマンス向上にも寄与することができるでしょう。
非認知能力の向上を数値化することは、これまで難しいとされてきましたが、ハイラブルの技術はその課題を見事に解決しています。特に、リアルタイムでのフィードバックが可能な点は、教育の現場で即座に効果を発揮し、児童・生徒の成長を促進します。
また、データに基づいた教育の改善は、教師にとっても非常に有益です。授業中にどの児童が発言していないか、どのグループがディスカッションに参加していないかを視覚的に把握することで、より的確な指導が可能になります。ハイラブルが提供するデータは、教育現場における新たなツールとして、今後ますます重要性を増していくことでしょう。
これからの教育は、デジタル技術とデータ活用を取り入れた新しい形へと進化していくでしょう。ハイラブルの導入がその一翼を担い、未来の教育を支える重要な要素となることを期待しています。
【ハイラブル株式会社について】
会社名:ハイラブル株式会社
事業内容:企業や学校で行われている話し合いの可視化に関するクラウドサービスの開発と販売、システム開発やコンサルティングなど
ウェブサイト: https://www.hylable.com/
各サービスの詳細:https://www.hylable.com/products/