
AIは、パソコンやスマートフォンの画面の中で使うものという印象が、少しずつ変わり始めています。音声で呼びかけたり、目の前の情報を読み取ったり、作業の流れを支援したりする技術が広がる中で、AIをどのように日常や仕事に取り入れるかが身近なテーマになってきました。
そうした中、株式会社Meta Heroesは2026年6月13日、大阪・なんばのDX教育施設「Hero Egg」で、「AIを『身に着ける』時代へ」をテーマにした「AIスマートグラス × AIエージェント体験会」を開催しました。AIスマートグラスの実機体験と、Claude CodeやCodexを活用したAIエージェント開発デモを組み合わせ、業務や教育、地域課題解決への活用を考える場となりました。
実際に装着して見えてくるAI活用の距離感

体験会では、Even G2、Rokid Smart AI Glasses、Ray-Ban Meta Gen2など、複数のAIスマートグラスが用意されました。参加者は実際に装着しながら、リアルタイム翻訳、音声の文字起こし、プロンプター機能、カメラを用いた撮影、マルチモーダルAIやAIアシスタントとの対話などを確認しました。

言葉としては知っていても、身に着けたときの見え方や操作感は、実際に試してみないとつかみにくいものです。スマートリングによるスクロールや操作も紹介され、画面を見るだけではないAIとの関わり方が体験されました。会場では「どのような場面なら使えそうか」「現場で使うにはどのような設計が必要か」といった対話も生まれ、生活や仕事に引き寄せて考える時間になったようです。
開発デモで広がるAIエージェントの使い道

AIスマートグラスの体験に加えて、Claude CodeやCodexを活用したAIエージェントによるアプリ開発デモも行われました。AIが単なるチャットツールにとどまらず、プロトタイプ開発を支援する流れが示され、参加者は実演を通じて活用イメージを深めました。
AIエージェントは、情報整理や判断支援、開発支援など、さまざまな業務に関わる可能性があります。そこに、AIを身に着けるウェアラブルデバイスが組み合わさることで、現場で必要な情報をその場で確認したり、作業手順を支援したりする使い方も考えられます。事業開発や現場業務、人材教育の場面で、どのようにAIを伴走役として設計するかが一つの焦点になっていました。
参加者の反応から見える「自分ごと」の入口

ゲスト講師として登壇した教育事業家の鮫島歩さんは、今回の体験会で重視した点として、実際に触れること、複数のデバイスやAIツールを比較すること、そして「自分なら何に役立てられるか」を考えることを挙げています。AIによる変化は、業務効率化だけでなく、事業の構想や検証、実装のあり方にも関わる可能性があるとコメントしました。

株式会社Meta Heroes XR事業部長の北野裕也さんは、初めて触れる技術に興味を持つ参加者が多かったことや、業務・教育現場での活用について活発な意見交換が生まれたことを紹介しています。

また、Hero Egg代表取締役の近藤にこるさんは、プロンプター機能やリアルタイム翻訳、開発支援に触れることで、日常や学びの中での活用イメージが具体的に広がったとしています。
研修・教育・地域イベントまで広がる体験設計
Meta Heroesは、XR、スマートグラス、AIエージェントを、学びや業務改善、体験設計、社会課題解決の手段として捉えています。今回の体験会も、製品や機能の紹介だけではなく、実際に身に着け、試し、対話することで活用の可能性を考える場として設計されました。
相談テーマとしては、スマートグラスを活用した業務体験や社内研修、AIエージェントを組み合わせた業務支援・教育支援、XRを活用した体験型イベントや展示会ブースの設計、教育機関向けのAI・XR体験プログラム、企業や自治体向けのPoCや体験会設計などが挙げられています。AIやXRを導入する前段階として、まず「どのような体験を設計するか」を整理することが重要になりそうです。
<イベント概要>
イベント名:AIを「身に着ける」時代へ AIスマートグラス × AIエージェント体験会
開催日時:2026年6月13日(土) 17:30〜19:00
会場:大阪・なんばパークス「Hero Egg」
内容:AIスマートグラスとAIエージェントに関する説明、実機体験、デモンストレーション、意見交換
身近に試すことから始まるAIとの関係づくり
AIスマートグラスやAIエージェントは、まだ多くの人にとって少し距離のある技術かもしれません。ただ、今回のように実機を身に着け、操作し、周囲と話しながら使い道を考える場があると、抽象的だった技術がぐっと身近になります。印象的なのは、便利さだけを示すのではなく、業務、教育、地域活動など、それぞれの現場に置き換えて考える時間が重視されていた点です。AIをどう使うかは、機能の多さだけで決まるものではありません。目的に合わせて体験を設計し、小さく試しながら学ぶ姿勢が、これからの活用を支える入口になるのかもしれません。