環境問題に対する関心が高まる中で、『持続可能な社会』を実現するための新しいアプローチが模索されています。しかし、その多くは“定性的”な価値に依存しているのが現状です。たとえば、生物多様性の保護やCO2削減といった活動は、目に見える数値で評価することが難しい領域です。そんな中、注目されているのが、ブロックチェーン技術の力を借りて、こうした環境価値を“定量化”し、誰もが信頼できる形で可視化する取り組みです。
この革新に取り組んでいるのが、シンシズモ株式会社と東急不動産株式会社です。両社は、東急リゾートタウン蓼科を利用するお客様の行動を基に環境価値を切り出し、その成果をブロックチェーン上で記録し、クレジット化するシステムを開発しています。さらに、この取り組みはNFT(非代替性トークン)を活用したスタンプラリープログラム『もりからの手紙』を通じて、利用者が自然環境の保護に直接参加できる仕組みを提供しています。 ブロックチェーンを活用することで、従来の方法では不透明だった環境価値のクレジット化が可能となり、持続可能な社会に向けた大きな一歩を踏み出そうとしています。単なる技術革新ではなく、私たちの未来を守るための新しい形の環境保護が、個人の行動とリンクし、可視化されるこのプロジェクトに注目が集まっています。
QRコードとNFTで楽しむ『もりからの手紙』
『もりからの手紙』は、東急リゾートタウン蓼科(以下、「タウン」)での自然と触れ合うアクティビティや、環境配慮に取り組む活動に参加することで、環境保護への意識を深めてもらうことを目的としたプログラムです。このプログラムでは、参加者が「もりを守る活動」に貢献した証として、NFT(デジタル切手)を受け取ることができます。 タウン内で滞在を楽しみながら、各所に設置されたQRコードをスマートフォンで読み取ることで、デジタル切手を集めることが可能です。一定数のデジタル切手を集めると、自然の恵みを活かした「MORIGURASHI」商品と交換できる特典も用意されており、楽しみながら環境保護活動に参加できる仕組みとなっています。
参加方法
LINE公式アカウント「もりからの手紙」を友だちに追加後、タウン内の各地に設置されたQRコードを読み取るとLINEミニアプリが自動的に起動し、デジタル切手を取得できます。
獲得スポット・獲得アクション一覧
・TENOHA蓼科
・エディブルガーデン
・グラマラスダイニング
・フォレストアドベンチャー
・蓼科東急ゴルフコース
・からまつ池
・アクティビティの予約
※東急リゾートタウン蓼科センター内で受付
・ワークショップへの参加
※TNEOHA蓼科内で受付
・東急リゾートタウン蓼科内で飲食店
※対象店舗は今後拡充予定
・宿泊時のリネン交換をスキップ
※連泊のお客様が対象
・宿泊時のアメニティ持参
デジタル切手・特典一覧
施設全体で環境貢献が植樹につながる仕組み
『もりからの手紙』の特徴の一つとして、参加者全員で取り組む環境貢献が、実際の植樹活動につながる点が挙げられます。このプログラムでは、利用者が集めたデジタル切手の総数に基づいて、東急リゾートタウン蓼科内で植樹が行われる仕組みが採用されています。 この仕組みによって、利用者は自分たちの行動がどのように自然環境の保護に寄与しているのかを実際に目に見える形で感じることができ、環境保護活動に対する意識を高めることが期待されています。単なる参加型イベントにとどまらず、自然の再生や持続可能な未来を支える活動として、実際に貢献する喜びを体感できる点が、この施策の大きな魅力です。
「LINEミニアプリ」で実現するシームレスなブロックチェーン活用
『もりからの手紙』プログラムでは、すべてのデジタル切手がブロックチェーン上のNFTとして発行されています。この技術により、参加者の環境貢献が改ざんされにくい形で正確に記録され、透明性と信頼性が確保されます。この記録は、将来的にカーボンクレジットの発行に必要な実績としても活用される可能性があるため、プログラムに参加することが持続可能な未来への一助となります。
また、従来のNFT利用にはブロックチェーンアカウント(ウォレット)の作成が必要で、操作が難しいという課題がありました。しかし、このプログラムでは、シンシズモ株式会社が提供する「キリフダ」を採用し、公式LINEアカウント内のミニアプリとして利用できるようにすることで、その課題を解決しています。LINEを開くだけで、デジタル切手の取得状況や貢献ポイント、さらには植樹された木の本数まで簡単に確認できるため、ユーザーはシームレスにブロックチェーン技術を活用しながら、手軽に環境保護に貢献できる仕組みとなっています。
ブロックチェーンでつなぐ未来の環境保護
『もりからの手紙』は、ブロックチェーン技術と自然保護が手を取り合う新しい試みです。デジタルとリアルの融合を通じて、参加者は自身の行動がどのように環境保護に貢献しているかを実感しながら、持続可能な社会に向けた一歩を踏み出すことができます。NFTやLINEミニアプリを活用することで、誰でも手軽に参加できるこのプログラムは、未来の環境保護の在り方に新たな視点を与えてくれるでしょう。私たち一人ひとりの小さなアクションが、大きな森を育む力になるかもしれません。
東急不動産株式会社
東急不動産ホールディングス株式会社の中核企業として渋谷に拠点を有する総合デベロッパーです。2021 年 5 月に発表したグループ指針となる長期ビジョン「GROUP VISION2030」の実現に向け、多様なソリューションメニューに基づく豊富な実績や、幅広い事業領域を活かしたグループ連携、パートナーとの共創により、ありたい姿である「価値を創造し続ける企業グループへ」の実現を目指しています。都市事業、住宅事業、インフラ・インダストリー事業、ウェルネス事業、海外事業などを幅広く展開しており、長期経営方針のテーマとして「環境経営」を掲げ、社会に貢献する不動産会社として、都心だけでなく地方での事業展開にも注力しています。
シンシズモ株式会社
シンシズモ株式会社は、ブロックチェーン技術を駆使して、さまざまな業界の社会課題を解決するためのソリューションを提供する企業です。特に、不動産やカーボンクレジットなどのリアルワールドアセット(RWA)のデジタル化に注力しており、現実世界の資産をブロックチェーン上で安全かつ効率的に管理する技術を開発しています。 近年、カーボンクレジットを活用したエコシステム保全のニーズが高まる中、シンシズモはブロックチェーンを活用して、透明性と効率性の高い管理システムを提供しています。また、LINEミニアプリを活用したゲーミフィケーションによって、環境配慮活動への参加障壁を低減し、より多くの最終消費者が気軽に参加できるコンテンツ企画も行っています。