
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)がさまざまな業界で進行し、特にEC(電子商取引)市場においては、新しい技術が消費者の購買体験を大きく変えつつあります。その中でも、アパレルECは3D技術を活用したバーチャル試着やシミュレーション技術の導入が加速し、従来の「試着できない」という課題を解決しようとしています。
これまでオンラインショッピングでは、「サイズが合わない」「着用イメージが違った」といったギャップが課題でした。しかし、DXの進展により、EC業界はよりリアルな購買体験を実現するフェーズに突入しています。その一例として、株式会社メイキップが提供するサイズレコメンドエンジン「unisize(ユニサイズ)」に、新たに「3Dシルエット表示機能」が標準搭載されました。この革新的な機能により、ユーザーはオンライン上でより立体的かつリアルに着用イメージを確認できるようになり、アパレルECの新たな可能性が広がっています。
「unisize」が3Dシルエット表示機能を標準搭載

「unisize」は、ユーザーの体型情報をもとに、最適なサイズを推奨するサイズレコメンドエンジンです。これまで2D表示でのシルエット確認は可能でしたが、新たに3Dシルエット表示機能が加わることで、洋服のフィット感やシルエットをよりリアルにイメージできるようになりました。
新機能では、重力を反映した立体的なシルエットを再現し、前後左右の4方向からの視点で確認できます。これにより、例えばワンピースの布の落ち感や、ジャケットの肩回りのフィット感、Tシャツのゆとりなど、細かな着用イメージを視覚的に理解することが可能になります。
360度確認できる! 4方向からのシルエット表示

これまでのECサイトでは、商品画像やモデル写真を参考にするしかありませんでしたが、「unisize」の新機能では、3Dモデルを回転させ、前後左右4方向からのシルエット確認が可能になりました。特に、横からのシルエットは、着丈やフィット感を知るうえで重要なポイントです。
例えば、オーバーサイズのシャツを選ぶ際、正面からの画像だけではわかりにくいですが、横からのシルエットを確認すれば、肩の落ち具合や裾の長さが明確になります。ヒップをどの程度カバーするのか、ウエストのラインがどう見えるのかなど、購入前の不安を解消する大きな手助けとなるでしょう。
靴を履いた状態の裾の長さもチェック可能に

さらに、これまでの2D表示では裸足でのシルエットしか確認できませんでしたが、新機能では靴を履いた状態でのシルエットも確認できるようになりました。特にボトムスを購入する際、靴とのバランスは重要です。
スニーカーを履いた場合とヒールを履いた場合では、パンツの丈の見え方が大きく変わります。ヒールを履いた際の裾の落ち方やシルエットの変化を事前にチェックできることで、「思っていたより短すぎた」「裾が引きずるほど長かった」といった購入後のミスマッチを防ぐことができます。(※本機能は一部シルエットのみ対応)
パーソナライズ化が進むEC体験の未来

今回の「3Dシルエット表示機能」は、メイキップが掲げるパーソナライズ戦略の一環として導入されました。同社は、これまで「unisize」や「FaceChange」といったサービスを通じて、ユーザーごとに最適な購買体験を提供する取り組みを進めてきました。今後は、「aunn Personalization」などのソリューションを活用し、さらにECサイトのパーソナライズ化を加速させる方針です。
SNSの世界では、TikTokやYouTubeがアルゴリズムを活用し、ユーザーごとに最適なコンテンツを提供するのが一般的になっています。同様に、ECの世界でも、ユーザーの好みや体型に応じたレコメンドやカスタマイズが求められる時代になってきました。メイキップは、豊富なデータと独自の技術を活かし、すべての人にとって最適なショッピング体験を実現することを目指しています。
unisize:https://cl.unisize.makip.co.jp/
3D技術がもたらす新たなショッピング体験
オンラインショッピングが当たり前になった今、ECサイトに求められるのは、よりリアルに近い購買体験の提供です。3D技術の進化によって、消費者は「試着なしでも安心して購入できる」環境を手に入れつつあります。「unisize」の3Dシルエット表示機能は、その一歩をさらに前進させる画期的な取り組みと言えるでしょう。
私自身も、オンラインで服を購入する際にサイズ選びに悩むことが多くあります。特に「丈感」や「フィット感」は、写真だけでは判断しにくい部分です。今回の機能追加によって、より細かなシルエットの確認ができるようになれば、購入後の満足度も大きく向上するのではないでしょうか。
これからのEC市場では、消費者のニーズに寄り添った技術革新がますます求められていきます。メイキップのように、ユーザー視点に立ったサービスを開発し続ける企業が増えれば、オンラインショッピングの利便性はさらに向上し、より快適な購買体験が実現されるでしょう。今後も、3D技術を活用したアパレルECの進化に注目していきたいと思います。