
パッケージデザインは、企業の顔とも言える重要な要素です。消費者が店頭で手に取る商品を決める瞬間、そのデザインが与える印象は計り知れません。しかし、新たなデザインを生み出すたびに、「ブランドらしさ」を維持しつつ進化させるのは簡単ではありません。
こうした課題を解決するため、株式会社MatrixFlowが開発した「DesignFlow」は、AIが企業のブランドデザインを学習し、その特性を反映したパッケージデザインを自動生成する次世代のデザインツールです。今回、「らしさ学習機能(ファインチューニング)」と「形状指定デザイン機能」という2つの革新的なアップデートが発表されました。
「らしさ学習機能」は、企業が過去に使用したパッケージデザインを約10枚アップロードするだけで、AIがブランドの色使いやレイアウトの傾向を学び、新しいデザインにも自然に反映します。一方、「形状指定デザイン機能」では、スケッチや参考画像をアップロードすれば、希望する形状を反映したパッケージデザインを、AIが自動で生成します。
この2つの新機能は、パッケージデザインの未来を大きく変える可能性を秘めています。単に「それっぽい」デザインを作るのではなく、ブランドのアイデンティティを保ちつつ、新しい価値を生み出す──そんな次世代のデザインプロセスが、AIによって実現しようとしています。
ブランドのDNAを受け継ぐ「らしさ学習機能」

企業のパッケージデザインは、単なる装飾ではなく、ブランドの歴史や価値観を表現するものです。しかし、従来の生成AIでは、あくまで“それっぽい”デザインを作るにとどまり、企業特有の雰囲気を再現するのが難しいという課題がありました。
「DesignFlow」の「らしさ学習機能」は、この問題を解決します。企業が過去のパッケージデザインを10枚ほどアップロードすると、AIがブランドカラーやフォント、レイアウトのパターンなどを自動で学習。それを基に、新たに生成するデザインにも一貫したブランドの個性を反映します。
例えば、老舗メーカーのクラシカルなパッケージデザインを維持しながら、現代のトレンドを取り入れたデザインを提案したり、新商品のパッケージでも、既存ブランドとの統一感を保ちながら作成できます。
手描きのアイデアを形にする「形状指定デザイン機能」


パッケージのデザインは、見た目の美しさだけでなく、形状の工夫も重要です。特にユニークな形状の商品パッケージを考案する際には、従来のAIでは対応が難しい場合もありました。
「DesignFlow」の新たな「形状指定デザイン機能」では、手描きのスケッチや参考画像をアップロードするだけで、希望するパッケージ形状をAIが解析し、デザインに反映させることができます。ボトルや箱などの基本形状はもちろん、特殊な立体パッケージにも対応可能です。
例えば、「この商品の形状は円柱型がいい」「手にフィットする流線型のデザインにしたい」といった要望にも柔軟に対応。これにより、企業の独自性を生かしたパッケージデザインをより簡単に実現できます。
新機能がもたらす、デザインの進化と可能性

これらの新機能は、企業のデザインワークフローを大きく変革します。特に以下のようなシーンでの活用が期待されます。
①新商品の試作をスピーディーに
一度に最大100案のパッケージデザインをAIが生成。初期のデザイン案を素早く比較・検討でき、開発スピードを飛躍的に向上させます。
②ブランドのリブランディングに
過去のブランドイメージを継承しつつ、新しい価値やデザインを提案。売場での差別化や、新たなターゲット層への訴求にも貢献します。
③外部デザイナーやクライアントとの認識共有に
デザインの初期案としてAI生成デザインを活用することで、コンセプトの食い違いを最小限に抑え、スムーズなやりとりを実現します。
④消費者の意見を取り入れたデザイン改善に
AIがSNSや市場データを活用して消費者の反応を分析し、デザインのブラッシュアップにも役立てられます。
競争が激化するAIデザインツール市場での「DesignFlow」の強み
パッケージデザインのAI活用は、近年急速に進化しています。Adobe Fireflyなどの競合ツールも登場していますが、「DesignFlow」には独自の強みがあります。

「DesignFlow」は、単なる生成AIではなく、ブランドの継承と進化を支援するツールとして、大きな差別化を実現しています。
「DesignFlow」が示す未来、AIはデザインをどう変えるのか
今回の新機能を知り、AIの進化がここまで来たのかと驚かされました。特に「らしさ学習機能」は、単なるデザイン生成ではなく、企業のブランドDNAを守りながら進化させるという点で革新的です。
また、デザイナーとAIの関係性にも変化が生まれそうです。AIが提案したデザインをたたき台にし、デザイナーがより洗練させる──そんな新たなクリエイティブの形が広がるのではないでしょうか。
今後、パッケージデザインに限らず、販促ツールやWebデザインなどにも応用が広がれば、企業のブランディング全体がAIで最適化される未来も見えてきます。デザインの民主化が進む中で、「DesignFlow」が市場にどのように浸透していくのか、今後の展開に注目したいところです。